リンパ節は体内に広がり、老廃物やウィルスを排出する重要な役割があります。リンパの流れが悪くなると、老廃物が蓄積し、むくみや疲れの原因となることがあります。
老廃物を体外に出す方法として、マッサージがおすすめです。しかし、正い方法でマッサージを行わなければ、効果が得られません。
リンパマッサージを行う場合の、方法と重要なポイントを各部位ごとに解説します。
老廃物が溜まりがちな部位
リンパ節はリンパ管が太くなる部分で、特に関節の周辺に位置しています。
全身の組織から流れてくるリンパ液の中に、ウイルスやがん細胞などが含まれていないかどうかをチェックする役割があります。そのためにリンパ液が滞りがちで、老廃物が蓄積する原因の一つです。
体内の主要なリンパ節は、以下の8箇所です。
・鎖骨下
・腋下
・顎下
・腹部
・鼠径部(足の付け根)
・膝裏
・耳後ろ
・肘
これらの部位に老廃物が溜まりやすいため、定期的にマッサージをすることで、体の不調を防ぎ、疲労回復につながる効果が期待できます。
老廃物の蓄積が体に与える影響
リンパの流れが悪化し、老廃物が蓄積すると、体にどのような変化が起こるのでしょうか。
リンパの流れが滞り、余計な水分と老廃物の排出できなくなり、その結果として免疫力が落ちます。
免疫の低下により、むくみや肩こり、頭痛や肌のトラブル、便秘や体の冷えなどさまざまな症状が出る可能性があります。また、体内に疲労物質が溜まり、常に疲れを感じるといった不調もあるでしょう。
老廃物を排出する方法
老廃物の排出には、リンパマッサージや運動、適切な食事が欠かせません。
リンパマッサージ
老廃物の排出には、リンパマッサージが効果的です。リンパが停滞しやすいリンパ節を刺激してリンパの流れを改善し、老廃物の排出を促します。
リンパマッサージを血流が促進される入浴中やお風呂上がりに行うと、さらに高い効果が期待できるでしょう。
短い時間でも、毎日やさしくマッサージすると、健康維持に役立ちます。
運動
立ち仕事やデスクワークなどで長時間同じ姿勢を保つと、血液とリンパの流れが悪くなり、老廃物が蓄積しやすくなります。
特に、ふくらはぎはリンパ液のポンプとして機能するため、動いていないときは、むくみが発生しやすい状態です。
適切な運動でふくらはぎを動かせば、リンパの流れを改善し、老廃物を排出できるでしょう。また、運動による発汗も、老廃物を体外に排出するのに役立ちます。
運動が苦手な人でも、散歩や軽いストレッチをすることで、健康を促進する効果が得られます。
食事
食事を通じて老廃物の排出を促進することができます。デトックスに効果的な食品を積極的に取り入れると良いでしょう。
特に食物繊維が豊富なごぼうやサツマイモ、海藻や大豆、腸内環境を整える味噌やヨーグルトなどの発酵食品、そしてカリウムが多く含まれるバナナやスイカなどはデトックスに役立ちます。
また、緑茶に抗菌効果や解毒効果があり、ルイボスティーやローズヒップティーは毒素排出と新陳代謝の促進に有効です。
【部位別】リンパマッサージの方法
リンパ液は静脈を通じて最終的には心臓に戻るため、心臓方向へと優しくマッサージするのが基本です。
リンパマッサージでは、体の末端から心臓に向かってやさしく撫でるように行います。
リンパに過度の圧力をかけると逆効果になることがあるため、力加減には注意が必要です。
肌に優しいマッサージを行うためにも、マッサージクリームやオイルを使用すると良いでしょう。
あご周りのリンパマッサージ
あご周りにあるリンパ節は顎下リンパとして知られ、頭部から下方へとリンパ液が流れています。そのため、首の横、耳の下あたりから下へ向かってやさしく撫でます。
耳たぶの下に指を置き、円を描くようにマッサージしながら、首のラインを辿って鎖骨までリンパ液を流します。
鎖骨のリンパマッサージ
鎖骨周辺のリンパ節は、心臓へ流れる前の重要な集結点として、老廃物が集まりやすい場所です。鎖骨の上にある凹みを、指で外側から内側に向かって優しくさすると、リンパの流れを促進できます。
さらに続けて脇の下までリンパ液を導きます。
顎下リンパと鎖骨リンパをケアすると、顔のむくみを取り除く効果が期待できるでしょう。
脇の下のリンパマッサージ
脇の下に位置するリンパ節は腋窩リンパとして知られており、この部位のリンパが滞ると肩、腕、デコルテ、バストへの影響が及びます。
親指を除く四本の指を脇の下に差し込み、腕を下ろしながら指で挟むようにしてから、力を入れて円を描くようにして揉みほぐします。
その後、脇から鎖骨にかけて指を軽く回しながらリンパ液を流します。
鼠径部のリンパマッサージ
鼠径部は脚の付け根に位置するリンパ節で、下半身からのリンパ液が集中する場所です。ここに老廃物が蓄積すると、足のむくみが発生しやすくなります。
マッサージの手法としては、おへそ周辺から始めて、脚の付け根のくぼみに向かって優しく撫でるように行います。
膝裏のリンパマッサージ
膝裏に位置するリンパ節は膝窩リンパとして知られ、足のむくみに直接影響する重要な部位です。
マッサージは足首から始め、ふくらはぎを経て、太ももに向かって優しくさする手法を用います。
マッサージで水分補給をする重要性
リンパマッサージによってリンパの流れが活性化されると、老廃物の排出が促進されます。老廃物は主に尿や汗を通じて体外に排出されるため、マッサージの前後に水分を摂ると、より効果的です。
常温の水や白湯を一杯飲むと、マッサージをより効果的にし、老廃物をスムーズに排出できるでしょう。
サロンでの定期的なリンパマッサージのメリット
リンパマッサージは自分で行うことも可能ですが、プロのエステティシャンによる施術を定期的に受けることで、さらに高い効果が得られます。
エステティシャンは、リンパ節の正確な位置を把握しているため、効果的にむくみを解消できるでしょう。
特に背中など、自分ではリンパマッサージをするのが困難な部位があります。
また、時間をかけて丁寧にマッサージをすることを、難しく感じる人もいるでしょう。
月に1回のペースでリンパマッサージを受けることで、リンパの流れを改善し、むくみを解消して、老廃物が蓄積しにくい体をめざせます。
まとめ
リンパの流れが悪くなると、老廃物と余計な水分が体内に蓄積し、むくみや肩こり、疲労感を感じることがあります。
日常的に自分でリンパマッサージを行い、さらに月に一度はサロンでプロによるリンパマッサージを受けると、より効果的です。
リンパの流れが良くなると、むくみが取れて見た目もスッキリします。
さらに、脚が細く見える効果や、小顔に見えるなどの効果が期待できます。